物語で出会う 会津ごころ story THAT LEAD YOU TO THE HEART OF AIZU

ご飯かおやつかって言われたら…
どっちなんだろうね。

  • CATEGORY:食文化
  • THEME:郷土料理
  • 話を聞いた人:マナコケ屋 渡部尚恵さん

「しんごろう」
会津の伝統的な郷土料理だが、材料も味も予想がつかない謎の見た目をしている。

その正体は、うるち米に、地元で栽培されたエゴマをすりつぶしたじゅうねん味噌を塗って焼き上げたものだという。

…さて、会津地方で人気な観光地のひとつに湯野上温泉駅がある。

茅葺屋根が特徴の駅舎をくぐると、豊かな自然がお出迎えしてくれるのどかな場所で、天然温泉を楽しむことができる。

駅を降りてすぐ近くに出没すると噂のキッチンカーがある。

そこではしんごろうを小さいサイズでお試しできるミニしんごろうが売られているらしい….。

キッチンカーの主は、マナコケ屋の渡部尚恵さん。

どうしてキッチンカーで出店しようと思ったのかを尋ねると、「高齢化で駅近くの飲食店が無くなってしまい、だったら私のできる限りの事をやってみようと始めました!」と返答が。

「好きなゲームに出てきたキッチンカーを真似して赤のチェックにしたんだよね。」

特徴的なデザインのキッチンカー。尚恵さんの好みがしっかり反映されている。

ではなぜ小さいサイズのしんごろうを?

「しんごろうって、お茶碗くらいのサイズなんだよねー本当は。囲炉裏で焼いて食べるの。でも、あれ結構大きいからさ、もうちょっと小さめの方が食べやすいなあと思ってね。」

そう言って温かいしんごろうを用意してくれる尚恵さん。

甘い!味噌とお米の甘みにえごまの風味がよく効いていている。

これって会津の人にとってはおやつなんですか?ご飯なんですか?

「え…さあ、どっちなんだろうね?考えたことなかったなあ。ご飯かな。だってほら新米できたよ〜って言うためのご飯だし…ご飯じゃない?ねえ、うーん…」

ちなみに下郷町の観光マスコットキャラクター「しもごろー」は、しんごろうの妖精。

囲炉裏の火で炙られているしんごろうがそのままモチーフとなったキャラクターだそうだ。

地元の人にとっては昔からある郷土料理なので普通の存在のしんごろうだが、そうでない人にとってはやっぱり不思議な名物だ。

もししんごろうを試すのであれば、明るくて陽気なしんごろう売りの尚恵さんに会いに行ってみてほしい。


Place:

下郷町湯野上大島乙74
最寄り駅:湯野上温泉駅