
歴史を知れば、故郷への愛が育つんですよ。
このまちは、そのシンボルじゃないかな。
CATEGORY:歴史
THEME:建築
話を聞いた人:会津若松観光ビューロー 近藤真佐夫さん
会津の人たちと関わると、その郷土愛の深さに胸を打たれることがある。
ただの会話の中でも地元への愛をひしひしと感じる。
例えば、歴史の話をするとき。
自分の地元の史実を、しっかりと語れる自信がある人は、日本中にどのくらいいるのだろうか。
その点、会津を地元とする人たちは、地元の歴史にすごく詳しい。そういうところから、会津への絶対的な誇りを感じ取ることができる。会津を旅する上で、地域の人と関わることが面白いのは、そういった理由があるのかもしれない。
かつては教育のフィールドで活躍し、今では観光業で会津若松市を盛り上げる人物がいる。
歴史研究に没頭されていた時代もあるため、特に歴史に明るく、地元の人からのお墨付きもいただいている。テレビ出演のご経歴もあり、その道の有名人とも言えるかもしれない。
会津史を教わるにはこの人しかいない!

会津若松観光ビューロー 近藤真佐夫さん。一般の観光客向けだけではなく、子どもたちや鶴ヶ城とその歴史に興味をもっている方へ、解説を通して鶴ヶ城観光の楽しみ方を教えてくれる。
「この石垣、ちょっとずつ形や積み方が違うのにお気づきですか?」

「鶴ヶ城は大きく分けて蒲生の時代と、加藤の時代に分かれるんです。その時代の変わり目がいちばん分かりやすいのが石垣です。ここからここが蒲生の時代、ここからは加藤の時代…。」
視覚的にも、物語的にも理解しやすい説明。しっかり教わる感覚で、話に聞き入ってしまう。
「ほら!ここのスポットはお城がきれいに映りますよ。」
そんなことまで教えてくれる。

「会津は、街全体が戊辰戦争の舞台だったでしょう。鶴ヶ城が街の中にそびえ立っているのもその特徴のひとつですね。だから歴史が好きな人たちは、一度は会津を訪れるんでしょうね。街全体が歴史性を帯びているから、ロマンがある。」
教育にも携わっていた経歴があるからこそ、近藤さんはこう語る。
「郷土愛は、郷土の歴史を知ることで育つと思うんです。会津にはその土壌があるから、地域の人たちも郷土に誇りを持っているのかもしれませんね。まさに会津若松の、鶴ヶ城はそのシンボルじゃないかな。」
郷土愛を育てる、その土地の教育。その鍵は歴史にあるのかもしれない。
妙に説得力があるのは、会津の人々の魂にいつの間にか触れたからだろうか。
「郷土愛と歴史教育の関連性はあると思うし、可能性は大きいと思います。もちろん固定化された視点で歴史を語ることは危険だけれども、郷土への愛を育てるには、歴史を知ることが重要な役割を持ちますから。」
会津の歴史を教わるなら、近藤さんにこそ教えてもらいたい。そう思う理由がよく分かる。
鶴ヶ城を起点に会津若松全体への思いを馳せてみると、会津の旅がもっと豊かになるかもしれない。

Place:
会津若松市追手町1-1
最寄り駅:西若松駅